皆さんは、お茶を急須で淹れて飲んでいますか?
世代や住んでいる地域などにより、急須でお茶を淹れることが身近な人、非日常な人がいると思いますが、そもそも、急須ってどんなものなんだろう。
急須の主要産地「愛知県常滑市」で、急須を作る人、その急須を販売している人に話を伺いました。
急須の産地へ
私は煎茶道で、玉露や煎茶をいれる時に急須を使います。
急須の形、注ぎ口によりいれ方を変えます。カタチも自分好みの急須があるのですが、2016年、今から7年ほど前。
仕事を通じて急須を扱うようになり、常滑へ足を運ぶようになりました。様々なカタチ、製作風景を見せていただく中で学びと発見が。そして好みが広がり、2023年2月。5回目の常滑旅。新たな学びと懐かしい人たちとの再会がありました。
愛知県常滑市
名古屋から中部国際空港行きの電車で常滑駅へと向かい、今回のうつわ旅。お約束していた方とお会いしました。
瀬戸、信楽、丹波、備前、越前とともに、「日本六古窯」として、千年以上の歴史がある「常滑」
作られているのは主に、大きく3つ。江戸時代から続く急須、明治時代からは土管、そして、洗面器、トイレなどの衛生陶器。INAXの創業の地。INAXライブミュージアムも常滑にあると教えていただきました。
知多半島でとれる「常滑焼」に使う粘土は、鉄分を多く含んだ性質があり、鉄分を赤く発色させることを朱泥(しゅでい)と言い、常滑焼といえば「朱泥」というイメージが、私にはありました。
小物や招き猫など様々な製品も作られていますが、その中でも急須は、鉄分がお茶の苦みや渋みをまろやかにすると言われていて、私の周りのお茶好きさんも、常滑の急須を愛用されている方が多いです。
今回、訪れた急須の作り手さんをご紹介します。
急須を作る人
常滑の急須には、石膏型に泥を流し込んで成形した「鋳込み」で作られる急須、ロクロで成形した「手作り急須」があると教わりました。
今回は、手作り急須の作り手さん達のもとを訪ねました。
昭龍窯
昭龍さんの急須に初めて私が出会ったのが、今から7年前のこと。
「昭龍天目」という、長年、昭龍さんが探し求めてこられた急須にあう天目。
軽くて、1つ1つ丁寧に仕上げられた急須。ご本人がお好きなカタチとお話しされていた、ぽこっと丸みのある形状。上品な絵付け。外国の方に人気の金つまみ。沢山のお客様たちに、昭龍さんの急須をご紹介した思い出があります。
今年は、カタログに新しいデザインの急須を発表したと教えていただきました。そして、お話を伺った日が奥さまのお誕生日。私の父の誕生日と同じ日で、ご縁を感じ嬉しかったです。
息子さんにロクロをひいていただき、娘さんの絵付けを見せていただきました。お父さんは、仕上げ、プロデュースされていて、いつお会いしても熱い急須作りへの想いに心を打たれます。情熱から、新しいモノが生まれるのだと。才能のある人が、努力を惜しまず行動をする。私も、刺激と力をいただきました。
玉光窯
10年以上前に、私が初めて買った常滑の急須が玉光さんの急須。
初めて玉光さんに会わせていただいた時。嬉しかったことを覚えています。大きな朱泥の火鉢が目に入り、産地へ行くと、その土地のモノに心惹かれます。鉄瓶の産地へ行くと、鉄瓶で沸かしていたお湯でお茶をいれてくれる。火鉢も鉄瓶も、私は家で使うことがないのですが、産地の方々の生活に溶け込んでいる姿が素敵です。
急須作りのため、茶道やお花のお稽古に通われているという玉光さん。
今回は、私がお土産で持参したお茶をご自身の急須で淹れてくださいました。「生涯現役。たおれるまで、ロクロをひいていたい」と、急須作りが根付いていらっしゃいます。私の近況の話も、興味を持って聞いてくださいました。工房での温かいおもてなし。手作りの湯呑みも素朴で、一緒に味わったお茶が印象に残りました。
憲児窯
可愛い水玉模様と、お菓子のような練り込みの模様があらわれた急須が、私が初めて目にした「憲児陶苑」さんの急須。当時は、お父様が作られていた急須でしたが、息子さんが後を引き継がれ、カラーバリエーションが豊富になったそうです。
純粋で、温かそうなお人柄。お父様が残してくださった工房に感謝の気持ちを持ちながら、「父に頼ることができないから、今の自分がある」とお話してくださいました。
2年程前にギャラリーに伺った時は、沢山のフリーカップや急須が並んでいたのですが、今回は少なくて、ご多忙なのだろうと推測できました。私の知人にも、憲児さんの水玉模様の急須が好きな人がいて、また、機会があれば可愛い急須を見に行きたいです。
おわりに
急須でお茶を淹れて飲む
一昔前は、一家団欒でお茶を飲むことが、あたりまえのように日常にあったのかもしれません。今は、ライフスタイルが人それぞれ。急須が、家にないというお話を聞くこともあります。
私が今回訪れた「常滑」には、熱意を持って急須を作る人、伝える人がいました。思考錯誤し生みだされた様々なデザインの急須がありました。
お気に入りの急須に、お茶の葉をいれて、お湯を注ぎ、葉がひらくのを待って。ゆっくりとお茶を味わうひとときを大切にしたいなと、今回、改めて感じる旅になりました。
Digest
Do you know “Kyusu”?
Kyusu is a kind of tea pot.
Which is used to brew Japanese tea.
“ROKKOYO“
This term means six representative regions of pottery ,in Japan.
The districts have been producing their cultures since the middleages.
Name of them→Echizen,Seto,Tokoname,Shigaraki,Tanba,Bizen
This time,I visited Tokoname in Aichi. In order to learn kyusu.
It was ordinary for the Japanese of a century ago to drink Japanese tea with the traditional pot. However, modern Japanese lifestyle changed and people who don’t have Kyusu are increasing. I felt excellence having met with people who produce kyuse with enthusiasm and watched the process of being made kyuse from soil by the hands in Tokoname.
Steeping the Japanese tea leaves in kyusu and pouring a boild water,I wait for the tea leaves to open.
I realized again that I’d like to cherish the time which enjoy drinking tea slowly through this trip.
Thank you for listening!!
translated by Koyo.