お茶とうつわ旅「金沢」茶の湯体験、美術館を訪ねて

加賀藩祖 前田利家は、仕えた織田信長や、豊臣秀吉の影響で、茶の湯と深く関わりを持ちました。茶道文化が栄え、石川県では今でも茶道を嗜む人が多いそうです。工芸品や、和菓子、茶道とともに歩んだ歴史を感じながら、1日、金沢で、お茶にまつわる場所を訪ねました。

金沢は、徒歩圏内にいくつかの美術館、博物館があります。訪れた時は天気もよかったので、バスに乗りつつ、歩けるところは徒歩で。全てはまわれなかったので、事前に行きたい場所をしぼりまわりました。

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兼六園 時雨亭

金沢駅到着後、バスに乗り最初に兼六園の時雨亭へ向かいました。呈茶開始時間まで2時間くらいあったので、先にお昼ご飯を食べて時間調整しました。

金沢へ訪れたのは桜がまもなく終わるころ。2023年4月の平日。時雨亭で受付をし、最初に待合に案内されました。参加させていただいた会の20人ほどのお客さんは、外国人観光客の方々で、日本人は、私、1人でした。金沢の老舗和菓子店 森八さんの主菓子をいただき、銘が”咲誇る(さきほこる)”とのこと。美しいお庭の景色を眺めながら、かわいい桜色のお菓子と九谷焼の器で抹茶をいただき、茶室内を拝見しました。

金沢市立中村記念美術館周辺

兼六園から美術館まで、歴史の小径、美術の小径を15分ほど歩きました。青楓が綺麗で、自然が心地よかったです。

金沢市立中村記念美術館

中村記念美術館は、金沢の実業家で茶人の中村栄俊氏が創立した記念館に始まります。私が、訪れた日は、「喫茶去〜茶道具にみる季節の移ろい〜」が、開催されていました。長い時代を経た道具と現代の道具、茶道具に見立てられた美術作品など季節の移ろいに添いながら展示されていました。

喫茶室で、お菓子と抹茶をいただきました。好きな茶碗を選び、庭園と茶室耕雲庵を眺めながら、係の方が丁寧に金沢のお茶にまつわるお話をしてくださいました。おすすめの和菓子屋さん、観光スポットなど。同席した方が、関西から来られていた方々で、初めましてでしたが、気軽に、美術館の係の方も交えて北陸、関西観光のお話をしました。一期一会の楽しいひとときとなりました。

美術の小径・歴史の小径・緑の小径

中村記念美術館は、石川県立美術館へと続く「美術の小径」「歴史の小径」、鈴木大拙館へと続く「緑の小径」など、自然が美しい場所にありました。今回、訪れた美術館以外も入館したかったですが、残念ながら時間が足りず、またの機会があれば伺いたい場所となりました。

金沢グルメ 隠れ家レストラン「piccola(ピッコラ)」でイタリアンランチ

兼六園到着後、時雨亭での呈茶まで時間があったので、兼六園を一度でて周辺を歩きました。21世紀美術館の近く、何のお店の看板かな?と立ち止まり見ていたら、たまたま近くにいらしたお店の方に声をかけていただき、ランチをいただくことに。4席カウンターのみの穴場的なお店で、パスタランチを注文。旬のホタルイカのパスタ、個人的にパクチーが好きなのですが、バクチーのシャーベットなど、美味しくいただきました。シェフともお話しし食事以外にも、ピッコラさんでは1日1組限定で宿泊もできるゲストルームがあると教えていただきました。金沢に訪れる機会があれば、リピートしたいお店で偶然訪れてみてよかったです。

大桶長左衛門窯・大桶美術館・大桶ギャラリーで飴釉のうつわを

兼六園周辺から、少し距離があったのですが大樋美術館まで歩きました。中村記念美術館でお話を伺った、金沢の老舗和菓子店 森八、4月は白い花(ドウダンツツジ)が見頃ですと教えていただいた武家屋敷 寺島蔵人邸へも立ち寄りました。

裏千家との縁が深い大樋焼。飴釉の伝授を受け、楽焼唯一の脇窯として、初代 長左衛門から、350年以上に渡り、作陶されてこられました。大桶ギャラリーでは、貴重なうつわで抹茶をいただくことができました。私が通う茶道の稽古場にも大樋焼の抹茶碗があります。美術館で数々の作品、うつわを拝見し、美術館へ行く前と行った後では、うつわに対する思いに変化がありました。森八、寺島蔵人邸でも抹茶とお菓子をいただけるとのことでしたが、この日は、3服のんでいたのであきらめました。城下町で育まれ、今に続く伝統に触れることができた金沢旅となりました。

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